【適応障害体験記⑤】 〜休職開始〜

適応障害の記録

自身の適応障害の経験をもとに、その時の考えや感情を、記憶が曖昧になる前に書き記すことを目的に、「体験記」としてブログに書くことにしました。

第9章 休職前に会社に失望

3月中旬、いよいよ休職開始です。

主治医からの診断書を会社に提出してから実際に休職するまで、3週間ほどかかったと思いますが、
その間のことは正直あまり覚えていません。

精神的にもキツく、頭がぼーっとして働かない状況だったからだとは思います。


覚えていることは、前年1年間の人事考課フィードバックがあったことくらいです。

2020年春から“社内ダブルワーク状態”で身を粉にして働き、(詳しくは体験記①に記載)
その結果メンタル疾患になった訳なのですが、評価は「中の下」でした。

理由は「同じ事業部の別部署に私と同じ役割階層の4年先輩がおり、その人を出世させたいという上の強い意向があり、彼が“中の上”になったから」という、意味不明なものでした。

(わかりにくいのですが、私が働いている会社の人事制度では、同じ役割階層の社員同士で上位役割につくためのポイントを奪い合うことになっており、誰かが高い評価を得るためには、その分誰かが低い評価になるのです。
 その評価というのは各部の部長が一同に会する会議で決めるで、部下の評価は部長次第、ということになります。
私の場合は、兼務発令によって主務の仕事を100%やれなくなっていたので、主務の上司からの評価が落ちたことや、上司が部長になりたてで他の部長への遠慮があったこともあり、私が犠牲者になったわけです)

全く納得のいくものではありませんでしたが、今更騒いだところで変わらないこともわかっています。
ましては、とにかく一刻も早く休職させてほしいという気持ちで、面談などストレスでしかありません。


「まぁ、適応障害ってことで、パフォーマンスが落ちてしまったことは仕方ない部分もあるし、評価についてはいいよな。以前のバリバリ働く君を知っているから、早く回復して、前みたいに働いてくれることを期待してるよ。」
という上司のフィードバックコメントを右から左へ聞き流し、
「はい。わかりました。ありがとうございました。」とだけ言って、その場をやり過ごした事を覚えています。

どの会社も大して変わらないかもしれませんが、人事評価というのは本人の努力や成果がそのまま反映されるものでは無いということを強く実感しました。

“努力は報われる”というのは神話であり、人事評価に関しては年功序列制のタイミング・部長同士のパワーバランス等、努力とは関係ない“運”が決めるということがはっきり分かりました。

復職後の働き方を考え始めている、今(5月30日)思うことは、復職後は以前のように自己ベストを目指して努力せず、2〜3割の力で、クビにならない程度に仕事をしたいです。

運の勝負になる出世や人事評価に無駄な力を使うのではなく、自分の時間を大事に使った方が、よっぽど人生が充実すると実感しています。

この辺りは別の記事にで色々と発信して行きたいと考えています。

第10章 休職初期の過ごし方

さて、なんだかんだで無事休職には入ったわけですが、急に仕事に行かなくていいとなると、「何していいかよくわからん」という感じになりました。


とりあえず朝起きてはみたものの、手持ち無沙汰です。
毎日やらなければいけないことに追われていた日々の中で、私はいつの間にか「自分の意志でやることを決める」ことをしなくなっていたのです。

「何やろうかな」と思っても特にやりたいことも思い当たらず、とりあえずどっか出掛けるかと思っても、着替えたり、どこに行くかを決めたりするのが面倒で、「やっぱりいいや」となってしまいます。
「今度ゆっくり時間が取れたらやろう」と思っていたこと思い出そうとしてもすぐには出てきません。


「そうだ、前から読みたいと思っていた本を読もう!
…でも買いに行くのが面倒だな。同じお金を使うなら、スポーツジムに行った方がいいか」

「前にジムに通っていた時は楽しかったな!
…でもコロナで前と勝手が違うだろうし、手続きとか、面倒だな」

「ジムに行かなくても、家のダンベル使って、外走ればいいな
…なんだか走るのは面倒で気が進まないな。だったら本読んでる方が楽でいいか。」

…これじゃ時間が無駄だ…
こんな事ばかり考えながらぼーっとしていました。

主治医からは、
「規則正しい生活を意識して欲しいとは思いますが、まずはゆっくり休んで下さい。
しっかりとした食事と睡眠は回復に向けて大切です。
気が向いたら、朝散歩に出かけてみるとか、少し運動をしてみましょう。無理の無いように。」

と言われていたので、まずは食って寝て、をしていればいいという風に考えました。

当時の本心では、「2ヶ月くらいしか休めないので、やりたいことやらねば!」という思いもあり、それなのに何もやる気が出ないし、何をするかを考えているうちに時間が過ぎてしまうことに苛立ちがありました。

そんな中でできたのは、映画を見ることでした。

以前からAmazonプライム会員で、プライムビデオは見れる状態でしたので、
以前話題になっていた映画や過去アカデミー賞を受賞した作品などを見て過ごしました。

映画を見ている間は、映画の世界に没頭することができ、自分のことや仕事のことなど、余計なことを色々と考えずにいられました。気づいたらあれこれ悩まずに2時間経っている、という感覚が心地良かったのです。

結果的に映画によって体も心も休めることができ、2週間位映画を見て過ごした頃には、外を散歩したり、料理を作ったりできるようになっていました。


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