「もう会社に行きたく無い」と思ったら、まず休職しよう

自由になる 会社員の処世術

会社員のみならず、自分の仕事場に行くのは誰しも多少憂鬱な気持ちになりますよね。

「通勤がちょいめんどくさい」程度なら特に心配無いですが、気持ちが落ち込んだり、それが毎日続いたりする人は、「心の病気」のサインが出始めています。

そんな時はしっかり休むための「休職」という制度を活用して、人生に明るさを取り戻しましょう!

実際に適応障害というメンタル不調による「療養のための休職」の最中にいる私が、経験を踏まえてお伝えします。

この記事を読んで分かること

  1. そもそも休職とは何か
  2. 休職期間中の生活費はどうするのか
  3. 休職することのメリット・デメリット
  4. 休職は人生を取り戻すために最適な一手

そもそも休職とは何か

休職のシンプルな定義は「従業員が自らの都合によって一定期間、身分を保証されたまま休むこと」です。

会社員として、会社との就労契約を一旦お休みするようなイメージで、会社からのお給料は無い代わりに自由に時間を過ごすことができ、一定期間終了後はまた元の会社に戻る事ができる制度です。

よくある話として、出産された後のママやパパが、その後お子さんを保育園に預けられるまでの期間、育休を取得されますよね。育児休業と休職は、人事制度の面や、目的・主旨は完全に別物ですが、‘要因が育児では無い育休’というようなイメージで、ざっくりと理解しておけば大丈夫です。

※人事制度的には、育休は「休業」ということで休職とは全くの別物らしいのですが、厳密なことは専門家に譲るとして細かい説明は割愛させて戴きます。

※この記事では、「メンタル不調による療養のための休職」を想定して解説します。

休職期間中の生活費はどうするのか

お給料は無いと書きましたが、急に無収入になることはありませんので、ご安心ください。

どういうことかと言うと、ここはドクターストップによる休職を想定しますので、その場合は加入している健康保険組合から「傷病手当金」という給付金のような物がもらえます。

金額はそれまでのお給料の2/3程度(+会社によっては別の手当て)なので、手取金額減にはなってしまいますが、「休んでいる間の生活の経済的不安から、有給休暇しか選択肢がない・・・」と思っている方にとっては朗報では無いでしょうか。

休職することのメリット・デメリット

ここまでの内容で、すでに「いーなー」と思う方は多いので無いでしょうか。休職期間中は、働かなくてもある程度のお金が貰えるわけですからね。

とはいえ、まだわからないことばかりで不安も多いと思うので、その他と選択肢も踏まえてメリット・デメリットを比較してみます。

■休職のメリット

メリット①仕事のことをすっかり忘れるまでゆっくり休むことができる

有給休暇は、自分の保有する日数しか使用することができませんよね。大体の人が年間最大で20日間程度かと思います。

「20日も休めれば充分」という意見もあるでしょうが、有休の場合、実際には多くても3日程度が限度で、5日を超える休みを申請することは現実的では無いのですよね。

療養による休職の場合、医師の診断書があれば、その医師からの復職OKが出るまでは“休職しなければいけない”期間です。

会社としても「医師の診断書があるにもかかわらず休職させなかった」となると、コンプライアンス上の問題になるリスクが高い為、診断書がある以上は休職させた方がいい、となります。

一般的にメンタル不調が理由の場合は、2〜3ヶ月程度の療養が多いらしいので、その間ゆっくりと休むことができます

これだけの期間休むと、日々悩まされていた仕事のストレスも少しずつ軽減していき、すっかり忘れることができます。有給休暇による数日の休みでは、常に頭の片隅で仕事のことが気になり、「休み明けの溜まった仕事のことを考えると気持ちが休まらない」なんてことになりがちですが、休職すれば、その心配はありません。

メリット②自分の意思で、自分の現状を確実に変える事ができる

2〜3ヶ月従業員が休むということは、会社としても何かしらの対応が必要になります。

誰か代わりの人を補充するのか、仕事内容を変更するのか、上司は頭を使う必要が出てきます。

ですが、それは上司の仕事なので、そこまで心配する必要はありません。このような組織的な問題に対応する事が求められるからこそ、上司は部下よりも給料がいいわけです。部下として申し訳ない気持ちが出てきてしまうかもしれませんが、「上司の仕事」と割り切りましょう。

で、上司・会社が何かしら対応をした結果、ストレスフルな今の自分のポジションがどうなるのかと言うと、

誰か別の人が担当になるか、そのポジションが無くなることになります。

有休の連続取得ではここまでの「現状を変える」ことは当然できませんよね。

また異動希望などを会社に伝えたとしても、従業員の希望よりも会社の都合が優先され、本人の希望が通ることはほぼないと思います。

その点、休職は、会社が人事的な対応をせざるを得なくなるので、確実に自分の意志で現状を変える事ができる手段だと言えます。

これは休職の大きなメリットではないでしょうか。

メリット③戻る場所がある

「いっそ辞めてしまえば、無期限で休めるし、退職金とか失業給付金もあるし、その方がいいわ!」

という意見もあるかもしれませんが、冷静に考えるとリスクが高いですよね。

社会的に非正規労働者の比率が高まっている、派遣切りが問題になっている、コロナで経営が苦しい会社が多い中で、今安定的に働けているなら継続した方が安全です。正社員なら特に。

もちろん、「転職してキャリアアップ!」というのも、バリバリとポジティブに仕事に取り組んでいる状態なら選択肢としてアリですが、「もー会社嫌やー。」となってしまって転職となると、ネガティブな転職理由が先行してしまい、思うように行かないのではないでしょうか。

この点でも、休職はあくまでも「休んでいる」だけですので、復職すれば休職前の会社で働き、ほとんどの場合、休職前と同じ給与をもらうことができます。(休職前には残業代が大量発生していたり、特定の職務で手当が出ていた場合などは減額になるかもしれませんが)

将来的な身の安全(仕事)が確保されている、というのも休職の大きなメリットと言えます。

■休職のデメリット

デメリットについては、正直あまり無いような気がしますが、あえて挙げるとメリットの裏返しで3つ考えられるかと思います。

①生活リズムが乱れやすい

これはまぁ気をつけましょうという話ですが、毎朝決まった時間に仕事がある生活リズムから、特に何も予定がない毎日になりますので、つい朝寝坊したり夜遅くまで起きていたり、ということになりやすいかなと思います。

②継続していきたいと思うような仕事も全部一旦リセットになる(進行中のプロジェクトなど)

今の仕事の中で「これだけは楽しい」というものがある場合には、それも含めて一切仕事をしてはいけないことになることを挙げておきます。(そもそもそんなポジティブな事があれば「もー会社にいきたくない」とならないかもしれませんが、私の場合は「この人とはこれからも一緒に働きたかったなー。と思う人が若干名思い当たります。)

③復職後に周囲とのコミュニケーションに違和感を感じる

自分が休職している間の会社での事は何も分かりませんので、少し浦島太郎的な感じで、周囲の会話の内容がよくわからない事があるかもしれません。まぁ気にすることではないと思いますが。

また、復職初期は慣らし勤務ということで、「午前中だけ」「午後3時間だけ」などの時短勤務になる事が多く、フルタイムで働く周囲の方とは‘違う感’が出てしまう事があるようです。これも時間が解決してくれるので気にする必要はないと割り切りましょう。

【まとめ】休職は人生を取り戻すための最適な一手

最近では、コロナの影響でストレスも多く、メンタルを病んでしまう人が増えているようです。

テレワークの普及で自宅で仕事ができるのは快適な反面、公私のメリハリが無くなりやすく、サービス残業の常態化につながりやすいと言います。

その結果、「生活の手段としての仕事」のはずが、「毎日朝から晩まで仕事ばかりで、気づけば仕事しかしてない」なんてことになります。

毎日無理を重ねてやり過ごす日々が続くと、気づいたら「うつ病」や「適応障害」等の心の病を発症し、「自分が自分の人生を楽しめていない」ということになるのです。

メンタルの不調は誰にでも起こりうることです。

重症になると、命を落とす危険もある、大変深刻な病気ですが、軽度なうちに対処すれば必ず良くなります。(と主治医が言ってました。)

適切なお休みを取ることで、自分の人生を取り戻す事が必ずできます。そのためにも、あまり深刻に考え込まずに、まずはメンタルクリニックや心療内科を受診することをオススメします。

心療内科では心の内を吐露し、率直に「毎日辛いので、会社をお休みしたい」と伝え、診断書が欲しい旨をいえば、適切な診断書を頂けます。あとはそれを会社に提出するだけで、休職する事ができます。

この記事が、日々のストレスで悩み苦しんでいる方に「休職」という選択肢を提示し、休職したことでその人が自分の人生を取り戻せることを祈っています。

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